何が僕達を幸福にするのか〜ハーバード最長75年の研究結果が明らかに

僕達の人生において、健康的で幸せになることは最重要といっても過言ではない。

では、僕達をその健康的で幸せな状態に保つものはなんなのか。この難題をハーバード大学の研究チームが75年の年月の研究を経て明らかにした。
この研究結果とともに、人生の大いなる難題について探っていこうと思う。

 

 

 

みんなが思う人生のゴールは?

ハーバード大の研究とはまた違う調査で明らかになったのが、最近の若者にとっての人生の目標。アンケートでの結果、80%の若者が「お金持ち」になることだった。次に多かったのが「有名になること」だ。

多くの若者が、人生を最高のものにするには「お金持ち」になることだと思っている。
確かにお金が無いよりはあるほうが人生は楽しめるだろう。お金持ちの度合いにもよるだろうが、こんな話もあるので気をつけてほしい。

 

3100万ドル(約28億円)という高額の宝くじに当選した人物が、
自宅近くに埋められていたコンクリート塊の中から、
バラバラ遺体で発見された。
出典現代のシェークスピアの悲劇

2006年に起きた米国フロリダ州の事件。
2005年4月にトラック運転助手のエイブラハム・シェークスピアさん(43才)が行方不明となり、家族から捜索願が出ていたが、遺体となって発見された。
恋人で財産の管理を任されていた女性を容疑者として逮捕されたが、彼女はシェークスピアさんが宝くじに当選したあと「貴方の本を書きたい」と近づいたそうだ。

 

宝くじで高額当選して、幸福になるどころか、悲劇が起き、不幸になるというよくある話だ。

収入と幸福度に関してこんな話もある。

 

「'02年にノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授が面白い研究をしています。それによると感情的幸福は年収7万5000ドル(約900万円)までは収入に比例して増えますが、それを超えると比例しなくなるんです」
「収入の低い人にとっては、身の安全や健康、そして食糧の確保という意味で、おカネを得ることが長期的な幸せにつながります。誰も寒さで凍えたり、空腹に悩まされたりする生活を送りたいとは思いませんからね。しかし、一定限度を超えると、幸福度は上がらなくなります。そもそも金銭による幸せというのは長続きしないものです。人間は収入が増えれば増えるほど欲しがってしまうものなのですが、満足感は一瞬で消えてしまうものです」

 

収入がある一定の水準までいくと幸福度は上がらなくなる。

この二つの話からわかることは、お金だけでは僕達は幸せにはなれないということ。

お金じゃないとするとじゃあなんなの?

 

 

 

この難題の答えは?

先に答えから言うと、それは「他者との良好な関係」だ。

ハーバード大の研究から三つの大きな教訓を得た。

一つ目は社会的なコネクションが僕達にとってとても有益になること。そしてそれは孤独を消してくれる。
家族や友達や社会との関係がたくさんある人ほど、健康的で、長生きする。
そして孤独な体験を多くもつ人は人生の早い時期に健康を損ない、脳の機能が低下していくということ。

二つ目の教訓は、コネクションの数が重要ではないということだ。
数ではなく、質がとても重要。どれだけ近い存在の他者をもっているかということが、幸福度に関係してくるのだ。
例を出すと、夫婦間の仲。
喧嘩ばかりしている夫婦は幸福度は低く、その幸福度は離婚した人達より低いということ。

そして三つ目の教訓は、良好な他者との関係は、身体にいいというばかりではなく、脳にもいいということ。

 

 

親しい仲は簡単には作れない

良好な関係にある他者をもつことが人生において重要であることは、多分みんなが知っていることだろう。これは歴史から学んだ知恵だろう。

ではなぜこれほどまでに知れ渡った知恵をみんなが享受できないのか。
僕たちは人間だ。人間は素早い解決策を欲しがる。
他者との良好な関係をつくるのは面倒くさい。複雑で、しかも色気がない。
しかし長い目で見たら、一番重要なのはこの面倒くさいものなのだ。
だったらなぜ今から行動を起こさないのか?
今から動けば遅くない。
何年も話していない家族がいれば、その家族の元へ行って、何でもいいから一緒に話してみよう。
それが自分の幸福につながっていく。